介護・依存から自立へ(3/3)

21世紀リハビリテーション研究会 事務局長滝沢茂男

タキザワ式リハプログラムによる創動運動実施の医学的検証に向けて
 森田能子(川崎医科大学附属川崎病院リハ科)は、本年度リハ医学会における発表を踏まえ、木島、木村とこれまで研究を主導してきたリハビリエイド社の研究員らと連名で、国民と人類の福祉向上に向け、今後医学的検証を進める為に、タキザワプログラムと創動運動の特徴を総括した。
1)創動運動
 創動運動は、器具を利用し、患者の四肢の健側の運動により、四肢の患側を運動させ実施する。創動運動は自動運動と介助運動に区分する。創動運動は端座位で実施する。体幹や麻痺側の四肢のROMも座位で実施する。創動運動は理学療法士他動運動に一部代替可能。



2)タキザワプログラム
 廃用性維持期の患者に対する創動運動を中心とした実施プログラムである。座位訓練で実施する。患者に痛みを与えない。プログラムは標準化されている。PT・OTの指導で介護者が実施可能である。下肢創動運動を含め患者の意欲を高める工夫がなされている。世界に例を見ない。
 今後の研究は、リハビリエイド社主導から会員主導にしたいと述べ、研究会の組織化、研究組織に関する将来像(団体とその活動の国民生活への影響)、新たな研究分野を説明した。
研究分野として、創動運動・他動運動対照表・用語(プログラム、実施、評価基準、評価表現)の国際研究・滝沢恭子の実施に因らない指導のみで成果を上げている老人保健施設の実態分析・訓練標準化・訓練指導者の養成方法を挙げた。
 国際研究については、WINDSOR大学との共同研究合意とVETERANSの共同研究申し入れが報告された。

画像認識技術を用いたリハ支援システム開発
 吉池紀子(慶応大学SFC環境情報学部政策・メディア研究科武藤佳恭研究室)は理学療法士の知識分析システムとリハ支援システムの開発について計画を発表した。人工網膜カメラを用いた非接触型のジェスチャー認識システムのデモンストレーションを実施しリハへ応用し、専門家技術定量化により、高度な技術(個人の経験)を広めることができ、理学療法士の負担減と高齢者の自立に寄与するとした。

 休憩の後、「オーダーメイドのリハとレディメイドのリハ・社会へ与える影響」と題して参加者全員の討議を実施した。

 岡本雄三(大分県三重町岡本病院院長)、は三十年に及ぶ地域医療の経験から、在宅における老々介護の実態、介護力の低下の現状、移動手段獲得の重要性を述べた。
Celia Lamkin、MD Commonwealth of the Northern Mariana Islands Governor’s Developmental Disabilities Councilはアジア太平洋地区の研究推進と国際提携研究の実施を述べた。
各参加者から意見表明や質疑があり、質問に「誰にでも適応するのか。」との質問があった。滝沢恭子(研究会顧問)から身体状況を勘案する必要があるが、座位が取れる対象者なら実施できるとの回答があった。

研究参加者による可能性の追求「対称性自動相同運動による痙性予防」
 福井圀彦(顧問・老健施設湘南の丘施設長)は研究を総括し、今後について述べた。「過去30年にわたる相同運動(創動運動の下肢運動表現)の経験では中枢性の麻痺にたいして痙性発生を予防する効果があるものと考えられる。その機序を考察する。」とした内容から、「創動運動は自動運動と介助運動に区分する。」とした定義に、 「下肢は相同運動、上肢は相反運動する。」を追加した。また、中枢神経障害による痙性の出現、その予防あるいは改善に対し、数年来課題になっている仮説を述べ、痙性抑制のためには脳内で、積極的な運動により屈伸運動神経回路が活性化することが必要であると考えざるを得ないとし、そのためには麻痺部位支配の脳脊髄神経系の活動を復活してやることが痙性予防の最良の方法であり、健側と患側を相同に運動をさせて目的を達しているのではないかと述べた。