日本のリハビリテーション医療の10年

大会長挨拶
渡部 一郎
青森県立保健大学
理学療法学科教授

 NPO法人として活動してきた日本バイオフィリアリハビリテーション学会は、青森での本大会で10年を迎え、節目の年を迎えます。この記念すべき大会を私が青森で主催することになり、大変栄誉なこと思います。

 我国のリハビリテーション医療・介護の歴史ははじまったばかりで、リハビリテーション科が標榜科となったのは1996年(平成8年)8月月1日の厚生労働省発令(当時厚生省)で、もうすぐ丁度10年目となります。10年前、私も北海道登別分院・温泉治療研究施設を廃院・改組し、北大札幌キャンパスのリハビリテーション科外来・病棟の立ち上げに全力を注ぎ、一大学人・一医師として一大転機の時期でした。その後の10年間、介護保険制度の整備、回復期リハビリテーション病床の整備、大学病院の包括医療、独立行政法人化、特定機能病院制度、支援費制度さらに障害者自立支援法が、矢継ぎ早に制定・改定・実施となっております。

 現在、65歳以上の老年人口は21%を超えたわが国は、平均寿命は世界1となり、WHOの健康達成度指数でも世界1の評価を得ております。一方、医療スタッフ数は少なく、総医療費対GDP比(2005)は世界第18位であり、現在の我国は、医療福祉資源・コストを世界一節約しながら国民の健康を保持している誇るべき状態なのです。しかし、高齢化により毎年医療費が1兆円増加すると政府は推算しており、今後もなおいっそう、医療・介護の改革が進められます。

 今学会は現在の我国の高齢者・障害者の医療・リハ・介護について、検討を深めるため、市民講座では白沢卓二先生には「人は120歳まで生きる」、山川治先生には栄養サポートチームと口腔ケアの方法についてお話いただきます。岡本雄三先生には障害者の在宅医療・リハ・ケアの実践と問題点について、横浜国立大学の高田一先生にはリハの工学的アプローチについての基調講演をいただきます。

 本バイオフィリアリハビリテーション学会の定例大会は、例年8月の第1週目に開催されます。当地青森の最大行事の「青森ねぶた祭り」と重なり、交通・宿泊などで参加者・講演者にご迷惑をおかけしますが、勉強は16時までなるべく速めに終えて、青森県のねぶた、ねぷた、たちねぷたなど、祭りの屋台の立ち食いで親睦を深めたいと予定しております。

 8月4日午後にME学会の専門別研究会:医療・福祉分野におけるヒューマンインターフェース研究会、5日に第10回大会・総会、6日に研修会を予定いたしました。

 旅程を早めに立てていただき、多くの皆様の学会参加と当地最大の祭りを楽しんでいただければと思いますお待ちいたします。

  平成18年7月吉日