近年の高齢化により脳卒中患者数が増加を続けており,一人の理学療法士が一人の患者に対してリハビリを行うという従来のリハビリシステムでは限界がある.そこで,一人の理学療法士が複数の患者を同時に対応できるシステムが検討されてきた.その一つが滝沢メソッド(Takizawa Method)と呼ばれるものである.滝沢メソッドは,リハビリ患者の多くが片麻痺患者であることに注目し,患者の健側の機能を利用して患側のリハビリを行うことを考えたものである.理学療法士と同程度の動作を与えることはできないが、患者の健側が理学療法士のサポートをすることができる.理学療法士が行う他動運動に対して、滝沢メソッドのリハビリは創動運動と呼ばれている.バイオフィリアリハビリテーション学会は、滝沢メソッドを中心としたプロジェクトチームとしての活動を行っており、このプロジェクトに賛同した医師、大学教員らを交えて発展させてきた。その結果として、13th ISPRM(International Society of Physical and Rehabilitation Medicine World Congress)において招待講演を行うまでとなった。
バイオフィリアリハビリテーション学会が、これまで以上のイノベーションを起こすためには、学会のあり方も含めて見つめなおす時期に来ている。学会をさらに発展させるためには、これまでのプロジェクトチームのような活動ばかりでなく、もっと広く研究内容や活動を受け入れる必要がある。一つには生体計測の分野を強化することが考えられる。これまでも滝沢メソッドと従来型リハビリテーションを比較するために脳機能計測を行ってきたが、骨格や筋力なども含めた身体の機能計測の研究を取り入れる必要がある。脳機能・骨格・筋力などを有機的に結びつけることが重要であると思われる。それらを総合的に行っている研究者は極めて少ないので、それぞれの研究分野で活躍されている方々に参加していただき、学会の大会を通じて情報交換を行い、発展的な研究・総合的なリハビリテーションへと発展させることが重要であると考える。また、これまではプロジェクトの競争相手と考えていたリハビリテーションロボットや補助ロボットなどについても情報交換ができるような学会としていく必要がある。最終的には、滝沢メソッドから発展させた総合的なリハビリテーション学会にして、イノベーションを起こせる学会にすることが目標となる。