第22回大会
2018年11月10-11日

岡山市
 


岡山リハビリテーション病院
リハビリテーション診療科医長
森田能子


ご挨拶

 思いおこせば当学会の発起人である滝沢茂男さんと知り合ってかれこれ20年近くになる。彼は藤沢で湘南ボーイ、私は生粋の岡山人で、その接点は?っというと第35回日本リハ学会が青森県で開催された平成10年であった。

 丁度家の中で使える便利な歩行器を探して展示会場を歩いていた時に目にとまったのが、知る人ぞ知るあのそり型歩行器!であった。早速気に入って現物を岡山に届けてもらったところ、その歩行器と一緒についてきたのが滝沢さんその人だった。 今思えば我々は同じような発想をしていて波長があったのかもしれない。かくして長い付き合いが始まったわけである。

 彼はいつも真顔でいう。

「我々の子供の時代が来た時に彼らを年老いた我々の奴隷にしてはいけない。」

 正にこのセリフに当学会の根幹をなす考えが詰まっている。それは医学だけなく社会保障の全体を含んでいるといってよい。

 過去に私の専門であるリハビリテーションに少し風穴を開けようとしているのかなと感じることもあった。

 本心では、リハビリは一体何の成果をあげているのかという喝を飛ばしたかったのかもしれない。

 現にそういったリハもまかり通っていたこともあったので私はそれに反論するつもりはない。それに病院内だけのリハではいずれ行き詰ると常々感じていた。そしてこの数年来医療の守備範囲を超えて地域包括ケアが声高に叫ばれる時代となってきた。医療人だけで完結できる時代ではなくなった今、パタコロ・プーリー・平行棒・そり型歩行器全て母上恭子さん発案の一連の運動を 創動運動;Motivative Exerciseと命名して、老人の寝たきり救済の1手段として強い信念を持って世の中に送り出した。

 自らが自分の力を駆使して自分で運動するためのきっかけ作りを恭子さんは1人で何十人もの患者をみながら生み出していった。現場の必要から生まれた産物である。

 そして様々のジャンルの専門家を仲間に引き込んでこの会を立ち上げた滝沢さん。私もかき集められた1人である。

 医療者としての立場は彼にとっては大きな味方であったに違いない。膨大なエネルギーでMRIやfNIRS等の高度の検査機器を駆使して簡単な機器で脳を活性化することを証明した。

 あまりにも膨大なそれらの実験結果に圧倒されたことも事実である。

 発想の転換は自由な人が起こす。正に老化も麻痺も決められた治療法は無いに等しい。

 これから老後を迎える我々団塊の世代がこの Motivative Exerciseを利用して自分の事は自分で維持していく気持ちになれば依存しない生活を少しでも長くできる。

 日本の隅々まで広まることを願って止まない。