主催:バイオフィリアリハビリテーション学会研究部会
共催:横浜国立大学研究推進機構人機能再建のための工学支援研究拠点
共催:高齢市民が活躍するための社会技術研究会


バイオフィリアリハビリテーション学会研究部会社会科学研究会挨拶
                       
大会長 牛澤賢二
高齢市民が活躍するための社会技術研究会理事

社会科学、リハビリテーション研究になぜ社会科学がかかわるのか、疑問に思う人が多いでしょう。私もその一人でした。

私が最初にかかわったのは、当時産能大学といった私の所属大学の松岡幸次郎教授からアンケート分析を頼まれたのがきっかけでした。その後滝沢さんと交流するうちに、医学面の治療効果評価の統計的検定を実施しました。既実施の統計的検定に不備があり、私が再検定して、その効果を明らかにしたのです。

リハ医学は、これまで「障害の受容」という諦めさせることに重要な視点がありました。実施した統計検定を通じて、この点を改善させられる可能性が開けたのです。

このことから、経営学視点で、虚弱高齢者の社会生活を守ることができれば今後の高齢者増に社会が対応できるのではないかと、平成14-15年度で「高齢者及び軽度痴呆高齢者の消費者教育の実際と将来像調査研究」を実施しました。

今日ではこうした科学研究は文部省関連のWEBサイトから研究内容が明らかになりますが、当時はこうしたことがおこなわれていませんでした。月日を経ても、我々の研究結果は社会にまだ反映されていることはなく、内容は陳腐化していません。

今回、バイオフィリアリハビリテーション学会と横浜国立大学のご協力で、我々の研究結果が予稿集という形で世に問われることになりました。

またリハビリテーション医学のパラダイムシフトを目的としていることから、リハビリテーション医学分野の研究費はこれまで、一度も取ったことがないと聞いています。

私は2012年定年で産業能率大学教授を辞しましたが、今回の研究会を良い機会として、新たな社会科学分野の関係者の参画を得られるよう願っています。
それぞれ担当者から行う報告内容は次に示すとおりです。

1. 平成17-18年度 文部科学省科学研究費補助金(萌芽)(新潟医療福祉大学牧田光代教授):介護保険出来高報酬制度の可否と変更する場合の諸要件の研究(17651094)
2. 平成14-15年度 文部科学省科学研究費基盤(C)(産能大学牛澤賢二教授):高齢者及び軽度痴呆高齢者の消費者教育の実際と将来像調査研究
3. 平成13-14年度 文部科学省科学研究費基盤(C) (産能大学松岡幸次郎教授):寝たきり高齢者削減に向けたリハビリテーション手法普及に関する研究
4. 平成13年度 中小企業総合事業団課題対応新技術研究FS調査:創動運動用上肢訓練器兼用リフト機器開発に関する研究調査

リハビリテーション研究の発展のためには、社会科学的視点も欠かすことができません。

これまでの研究成果を踏まえて、一層の社会貢献が図られるためにも、皆様のご協力が必要です。本研究会へのご参加をお待ちしております。